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そんなイルカの態度に笑いを堪えきれずヒクつきながら
「まぁはたけ上忍だったら経験豊富そうだから任しておけば安心だって」
言った後、イルカを振り返ってユウトは焦った
(しまったっ!地雷を踏んじゃったか?)
先程まで真っ赤だったイルカの表情は一変して何かを考え込んでいた
「カカシ先生の噂は嫌でも耳に入るからわかってんだけどなぁ。何で中忍のましてやオレみたいな男なんだろーと考える事があるんだ」
(お前は自覚がないだけで男女共に密かに人気があるんだって…まっ、言った所で信用しねーだろーし、火影様が居なかったらとうの昔に食われてたって…)
「だから中々返事出来なくて…タイミングもあるけどなぁ」
「?? 返事?」
「うん、まだちゃんとしてねぇーんだ。今日自分の気持ちを伝えようとは思ってるんだけど…」
キズをポリポリ掻きながら照れくさそうに首を傾げた
「あの状態で返事してないって…」
(はたけ上忍、イルカの事すっごく好きなんだなぁ。だったらあの噂はデマかな?)
ユウトがこの話しをイルカに振ったのはある噂を耳にしたからだ
その噂は
『はたけカカシは昔の忘れられない女にそっくりなイルカを代用にしている。暫くの暇つぶしだと』
(あれが暇つぶしには見えねーよな…)
「まっ! 色々大変だとは思うが頑張れやっ!」
そう言ってユウトはイルカの背中に一発お見舞いさた
「頑張る事なのか?」
少し咽せながらもユウトの気持ちは嬉しかった
そろそろカカシが迎えに来ると鞄を担ぐと
「イルカちょっと良いか?」
いつの間にか火影が側に立っていた
「ほっ火影様!?」
いつから居たのか、どこから話しを聞かれていたのかアワアワと焦るイルカにチラリと戸口に目をやり
「書簡の整理を頼みたいのだが…」
「今からですか?…」
ちょっと返事に困りながらイルカが言うと
「あぁ、終わったら久しぶりにワシの家で夕食を食べながら相手でもして欲しいのぉ~」
流石火影、イルカが断れない様にもっていく
実は戸口の向こうに既にカカシが来ていた
火影が中いるので又任務でも押し付けられては叶わんと外で気配を消して待っていたのだ
いくら上忍のカカシでも火影にはバレバレで居る事は判っていてイルカに声を掛けたのだ
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