告白

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「何にも無い家だけど、ゆっくりして」 (カカシ先生普段どんな生活してるんだろう?本当に何も無いんだけど…) 「ほとんど家に帰らない生活してましたからね」 思いっきり顔に出ていたイルカにクスクス笑いながらカカシは言った (そんなにオレって分かりやすいのか?) イルカは忍のくせに恥ずかしくて赤くなった 「う~ん、ほらオレ暗部に居たの知ってるよね?」 「はい、火影様から聞きました」 (ジジィ、本当にイルカ先生には甘いなぁ) 普段他の忍の経歴は中々知り得ない カカシが元暗部というのは公然になってはいる事だが誰も表立って話したりはしない 「オレは殆どを里の外で過ごす事が多かったのでここは物置みたいになっちゃって…」 後ろ頭をガシガシ掻きながらハハッとカカシは笑う 「物置と言っても、物にまったく執着がないから結局何も無い部屋になっちゃったんですけどね」 そんな、取り留めのない話しをしながら時間が過ぎていった ふと思い出した様にカカシがイルカに聞いた 「さっき帰り道、夢に似てるとか言ってなかったけ?」 「あー…はい、言いました」 「どんな夢なの?子供の頃から見るとか言ってたけど」 「オレ実は下忍の頃2日程記憶が無い日があるんです。原因は分からないですけど…」 (うん、オレが持って行ったから…) カカシは背中に冷たいモノを感じた 「記憶が無いと気が付いて暫くしたら見出した夢なんですが…」 カカシは静かに悲しいような優しい眼差しで続きを促した 「金色と銀色の夢…」 「金色と銀色?」 「はい…誰かと金色の大地に佇んでいるんです、暫くすると銀色の月が出てその誰かに手を引かれて歩いていて…月を背にした誰かが何か言っているのです…内容まで判らなくて…」 「目が覚めた時は何故か泣いてるんですよ、オレ」 「診てもらった医師の話だと無くした記憶に関係があるかもと言われたのですが…」 イルカは眉間に皺を寄せ泣きそうな顔をうなだれた 「泣く程嫌な事だったから自己防衛で記憶が抜けたりじゃないの?」 カカシは手に持っていたお猪口を見つめながら静かに言った
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