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「いえ、そうじゃないと思います」
「えっ!?」
カカシは余りにもキッパリ言い切ったイルカに驚いてイルカを見つめた
「記憶が無いから断定は出来ないんですが…」
「うん…」
「思い出さないといけないから夢として出てきてるような気がするんです」
「どうしてそこまで思うの?」
「え~とですね…」
鼻の頭をポリポリしながら
「夢を見て泣いてはいるんですが、目が覚めた時の感覚がとても暖かく、切ないもので…」
(何でオレこんな事までカカシ先生に話てるんだろう…人にここまで話た事無かったのになぁ~)
(変な奴だと思われちゃったかな?さっきからカカシ先生あんまし話さないし…)
チラリと目線だけカカシに向けたイルカは次の瞬間顔が真っ赤になる音を聞いた
黙って話を聞いていたカカシは片手で頬杖を就く形でジッとイルカを見ていた
その表情な愛おしい者の全てを包み込む様な眼差しで、形の良い唇は少し引き上がり大切な者にのみ見せる笑みだった
「イルカ先生…」
「は、はいっ!」
思わずどもって声が裏返ってしまった
向かい合わせにいるカカシの手が伸びてイルカの手に重なった
触れた瞬間イルカは電気でも走った感じがした
(あ…カカシ先生の手が少し震えてる…)
ボーとしているイルカに
「イルカ先生…あれからオレ色々考えました」
「は…ぃ…」
イルカはドキドキし過ぎて声が掠れる
「やっぱりあなたが好きです。誰にも渡したくない…アナタはオレの事どう思ってくれてますか?」
今日は告白をしようと決めていたイルカだが、いざ言うとなると声が出てこない
「オレはYES以外の返事を貰う気はないと前に言いましたがアナタの嫌な事はしたくありません…」
(嫌じゃないのに…どう言えば…)
「オレの中で結構限界なんですよね…色々……でも、同僚に戻れる程軽くないんです…気持ちが…」
重ねていた手を引いた
カカシは目を閉じズボンを握り締めた
「階級とか男なんかは、イルカ先生が気にするのはわかります…どちらの返事でも蟠りは残さないので返事くれます?」
「………」
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