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既に二人は周りの事は目に入らなかった
「イルカ先生……」
カカシの発する言葉は、とても熱を持ち、その吐息だけでもイルカは溶けてしまう錯覚に落ちた
(熱い…カカシ先生が触れている所が溶けて一つになるみたいだ…)
「イルカ先生?」
「は…ぃ…」
「辛かったら言ってネ。オレはイルカ先生と一つになれるならどちらでもイイと思ってたんですけど……オレが先生抱いてもイイの?」
壊れ物を大切に扱うようなカカシにイルカは不意に涙が溢れた
「オレは戦地で伽に付いた事がないので…正直よく分からないんです…」
(え!?そうだったの?じゃあオレ初めての男なんだぁ…嬉しくて鼻血が出そう…)
ニタニタとダラシナイ顔を曝すカカシにイルカは項まで真っ赤で
「だからカカシ先生の思う方ですイイです…オレはどちらでもカカシ先生と一つになりたいので…あっ!!でも…」
「何?イルカ先生?」
「手間取ったらすみません…」
その一言でカカシはイルカの首筋に顔を埋めて大きく息を吐いた
「カカシ先生?」
いきなり固まったカカシに何か不味い事でも言ったのかとイルカは心配になった
「あんた…ねぇ…オレこれでも結構死ぬ気で我慢してるんですけどねぇ~そんなに煽っちゃったらイルカ先生の事壊しちゃいますよぉ~」
(壊す?何を?)
男同士の行為は経験こそないが、ある程度は耳に入る。だがイルカの思っていた事はかなり安易に考えていたと後々後悔する事になる
「止めるなら今が最後です…よ……オレもう止められませんよ…」
何かとても苦しそうな表情のカカシを見て
「止めないで下さい。オレはカカシ先生が好きなんです」
(本当は独り占めしたい位なんです。アナタの笑顔を他の人に見せたくない位独占したいんです…でも、こんな事言ったらオレの事嫌いますか?)
イルカは他人をここまで欲したのは初めてだった
傷つく事を、傷つける事を恐れて生きてきたイルカは人当たりの良い青年だったが心の奥底まで人を受け入れる事はまず無かった
カカシが絞り出す様に呟いた
「あなたが欲しいです…どこにも行かないよう閉じ込めて、その瞳に写る姿がオレだけになってもらいたい位に…任務とはいえ、オレの手は血に染まってます…こんなオレは嫌じゃないですか?怖くはないですか?…」
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