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顔をしかめて目を細めると、一枚の紙切れが端を微風になびかせているのを見つけた。 丁度瓦礫の間に隙間に挟まっていたので、頭を突っ込み、口で咥えてそれを引きずり出す。 箱に大切そうにしまわれていたそれは、誰かの文らしかった。 色の変わったそれは、誰かの恋の文だろうか。 汚れと傷みで読み取れないが、微かに残る筆の跡はとても綺麗だった。
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