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「……断る。お前に協力してやる義理は無いからな。」
「おや、残念だねぇ。美琴の歌なんて聞いた事がないからアタイも楽しみだったんだけど。」
「小町の頼みでもダメだ。」
取り付く島も無かった。だが無音の顔に焦りは無く、ただゆっくりと口を開いた。
「本当に残念だよ。君の幼い頃の夢を叶えさせてあげられるチャンスだと思ったんだけどね……」
「なっ!?」
「美琴の夢?どんなんだい?」
「こら小町、聞くな!!」
「いやいや、昔偶然アイドルを見た美琴は将来アイドルになりたいと思ったらしいんだ。可愛らしい夢じゃないか♪」
「それ以上喋るな!!」
顔を真っ赤にした美琴が無音に斬りかかるが、無音はあっさりかわした。
今まで空気だった妖夢は思った。この人に迂闊な事は喋れないと……
「それに、君が歌うとなれば椎も喜ぶんじゃないかな?」
「……椎が、喜ぶ?」
美琴の中で妄想が始まった。
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