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無音の一言に妖夢と小町が賛同し、さらに順番待ちしていた魂達を引っ張ってきて、もはやコンサートになっていた。
突然の事に戸惑う美琴だが、やはり幼い頃は歌う事に憧れていたのだ。戸惑いながらも皆の前に立つ。
だが、不意に妖夢は隣に座る小町にこんな事を聞いた。
「あの、なんか鳥肌が……」
「……奇遇だねぇ、私もさっきから震えが止まらないんだよ。」
妖夢は思い返す。無音はあらゆる分野において高い能力を有している。ならば音楽に対する感覚だって持ち合わせているはずなのだ。
その無音が美琴の歌声を絶賛している、何処にも不安要素は存在しないはずだ。
にも関わらず、本能が危険を訴えていた。今すぐ逃げるべきだと警告していた。
今まで数々の戦いをくぐり抜けてきた妖夢の本能が警鐘を打ち鳴らしていたのだ。
そんな中で、ついに美琴が息を吸い、その歌声を披露した。それが、悲劇の始まりだったのだ。
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