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そして問題の彼岸では………
「【あまりに酷い内容の為、自主規制とさせていただきます】~っ♪」
「な、何なんですかこれは!?」
「いやだなぁ、歌に決まっているじゃないか♪」
耳を押さえた妖夢の抗議を無音はさも当然と言った口調で答えた。
美琴の歌は、歌では無かった。それはまるで暴力的な超音波、鼓膜どころか聞く者の心までズタズタに引き裂くノイズだった。
だが無音はそれを幸せそうに……否、明らかに正気とは思えない表情だった。
「ふ、ふへへ……次第にこの曲無しではいられなくなるんだ……ほら、だんだん気分が良くなって……」
「それは精神が壊れていってるだけです、しかも中毒性あるんですかコレ!?」
遠くでは激しい頭痛を我慢しながら小町が霊魂を川の向こうに避難させていた。だが川が荒れ狂っているせいで順調とは言えなかった。
妖夢は次第に薄れていく意識の中で強く祈った。早く終わってほしい、と……
ちなみに美琴は今までに見た事の無い笑顔で歌い続けていた。
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