第2話 不思議の国の美琴ママ

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かつて暗殺者として活躍し、命を落とした後は死神として働いている椎の母親、十条美琴。彼女はその日、仕事が休みだった。 (どうしたものかな?) 普段の美琴ならば、椎に会いに行っていただろう。しかし最近の椎は幻想郷の賢者としての修業に忙しいので、会いにいくのは控えるようにしていた。 しかし、だからこそ美琴は困ってしまったのだ。美琴は仕事人間だった。なので趣味と呼べるものがないのだ。 (何か趣味を持つべきだろうか?しかし、何を趣味にすれば……) 三途の川岸、大きな岩に寄りかかって空を見上げる。ぼんやりと空を見上げて思い浮かぶのは我が子の顔。 自分は親バカだったのかと少し自嘲していたが、不意に物音に気付いた。 (…………後ろ?) 振り返った先には、一匹のウサギがいた。永遠亭の妖怪ウサギ、鈴仙だった。 鈴仙は時計を見ながら走っていた。何やら焦っているようだ。 「急がないと急がないと!!」 鈴仙がそう言いながら走っていく。
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