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何となくだが、美琴はそれを追いかけてみる事にした。特に理由は無い。敢えて言うのなら、暇つぶし程度の理由だ。
鈴仙を追いかけながら、美琴は何となくだが『不思議の国のアリス』を思い出した。時間に追われるウサギを追いかける、その程度の内容しか覚えていないのが美琴なのだが……
(えっと……そもそも不思議の国のアリスなんて何処で知ったんだっけか?)
鈴仙を追いかけていた美琴は気付いたら森の中にいた。そこで美琴は、異変に気付いた。
「…………何だ、ここは……?」
美琴は暗殺者だったので気配を読む能力に長けている。その美琴の気配察知能力が、この森の異常を伝えていた。
見た目は普通の森である。だがそこには、全く生き物の気配が無かった。小動物や、虫の気配すら感じられない。
「…………これは、何か特殊な力でも働いているのか?それとも……」
「いや、そうではないよ。」
突然、声が聞こえた。
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