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ふと、妖夢は思った。武術では時に口伝の中に奥義や極意が隠されていたりする。ならばこのゲームは、無音が椎に何らかの奥義や極意を伝える為のモノではないだろうか?
本人は辞めたつもりだが、朱野椎という存在の戦闘スタイルは暗殺術。そしてまだまだ力を付ける必要がある以上、これは無音からの精一杯の手向け。
そこまで考え、妖夢は感動した。
最初は敵として現れ、我が子の為にその身を犠牲にしようとした無音。そして今再び我が子の為に頑張っている。
その我が子への愛情。やはり無音は椎の親なのだ。
「一応タイトル画面だけは出来たよ。」
「見せてもらってもよろしいですか?」
暗殺者の奥義や極意に興味の湧いた妖夢の言葉に、無音は快く応える。
パソコンを操作し、現れた画面は随分と華やかな印象がある。そしてタイトルは……
『東方heart』
どう見てもギャルゲーだった。
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