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ソイツは、フードを深く被っている所為で顔は全く見えないし、風にはためく外套以外はピクリとも動かず、幽鬼を見ている様で不気味。
「アンタ、只のゲリラとは違うよな。
幹部か、それとも噂の〝ジョーカー〟だとか?」
俺が冗談混じりの言葉と共に、腰に差した双剣を抜き放って構えたと同時、今まで動きの無かったソイツがユラリ、風に煽られる様に前傾し、そのまま俺との間合い数メートルを疾駆する。
途中に振り上げた左手のロングソードが袈裟懸けに降り下ろされたが、案外軽く、容易に弾くことが出来た。
弾いた位置からロングソードを降り下ろして更に一合、今度は相手から剣を引いて下段からの一撃を双剣をクロスして防ぐ。再び引いてからの突きを紙一重で避ければ、横凪ぎの追撃。
「クッ……!!」
連撃連撃連撃。
脇腹を掠められて体勢を崩した所に、畳み掛ける様にして攻め立ててくる。
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