Prologue

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   まずい。  ひじょーにまずい。大別すれば六属性ある魔術の中でも特に、俺が扱う雷術は身体強化に特化している。勿論、戦闘前に既に自身に施してある。対してこのフードの奴はそんな素振りは見せなかったし、前々から施してあるならば、身に纏っている筈の魔力が見られない。  明らかに実力が違いすぎる。  そうこう考えている内にも、フードの猛攻は更に激しくなるばかりで、防戦一方どころか徐々に傷が増えるばかり。 「秋人!まだか!」  大振りになった相手のロングソードを右手の剣で受け止め、牽制に左手の剣で胴を一薙ぎして、お互い後ろへと飛び退のく。 『もう片付くんでもう少しで行きます!』 「速くしてくれよ……」  インカムへと頼りなくそう呟いた後、両手に持った双剣の柄の先端を打ち付ける様にして合わせ、魔力を通わせる。暫く輝いた後、まるで元から互いに境など無かったかのように双剣が弓みたく一つに繋がった。
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