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『…っ……はぁ……はぁ…。』
街が暗闇に包まれた頃一人の少女が全力で駆けて行く。
(な……何で……追い掛けて来るの…)
少女の後ろから黒いモノが凄い勢いで追い掛けて来る。
しかし、街行く人はその黒いモノが見えないらしく、素通りしていく。次第に人通りの少ない所に入ってますます勢いが加速した。
『…はぁ…はぁ……っきゃ!!』
少女は段差に足を捕られその場に倒れた。
黒いモノはその少女に向かって来る。
『…いった~……あっ!…嫌…来ないで……嫌ーー!!』
もう駄目だと目をつむったら、そこで自分の物じゃない悲鳴が上がる。
【ギャアアァァ!!】
『えっ?』
見ると誰かが黒いモノがまっぷたつになっているその前に立っていた。その後ろ姿から男である事はわかった。その男はその黒いモノの残骸を水晶に取り込んだ。
唖然としてる少女に男はゆっくりと振り向いて助け起こした。
『あっ……あの…ありがと……ございます。』
『…大丈夫か?……』
『は……はい……。』
その男は見た目は20代前半位といった所で顔立ちはかなりの美形に入るようで、
黒髪が月明かりに映えてとても綺麗だった。
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