プロローグ

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……なんてこった。 本来、日朝学園に合格するなんてことは、非常に名誉なことだ。合格したかったのにできなかったやつなんて、山ほどいる。 だが、オレが日朝学園を受験したのは、いわゆる親のごきげんとりみたいなもんだ。 オレの第一希望は、偏差値50弱の一般的な公立高校だった。 オレの学力なら努力次第でもう少し上も狙えたが、あえて無難にはいれるところを選んだ。 ……楽がしたかったからだ。 オレには特別な才能なんかないし、別に平凡な人生で構わない。 だったら、努力なんてするだけ無駄だ。 楽をしたいと思っている人間が、都内でも有数の進学校を受験したいなどと、思うわけがない。 しかし、楽をしたいからレベルを落とすなんてことを親が許すわけもなく、代わりに日朝学園も受験するということで手をうった。 もちろんどちらも合格したら、無条件で日朝学園にいくことになる。 しかし、このときのオレには余裕があった。 レベルを落としたといっても、オレの偏差値は50前後。天下の日朝学園様に敵う見込みなんて皆無だ。 適当に鉛筆を転がして試験を受け、不合格の確信をもって帰宅する。 しかし…………。
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