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そのときだった──一瞬、頭上でなにかが光ったような気がして、それと同時に足もとに落とした眼の端が、ゆらゆらとうごめく白っぽいなにかをとらえていたのである。 わたしはハッとして、体ごとそちらを向いた。 ──誰か……いる!? と、心中で小さく叫んだ。 ──あれ、おかしいな……誰もいない。 そこは、いつも見ている砂浜だった。 いつもと違うといえば、月明かりがいやにまぶしいくらいだった。
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