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月と星屑の明かりによってつくられた陰影をつける体は、仰向けに寝ていた。
女だって、すぐにわかった。
胸があったから。
その剥き出しの胸は影までが美しく、浮き上がる口もとはわずかに開いていた。
閉じられたまぶたの先には長いまつ毛が伸びていて、スッときれいな鼻筋はやはり陰影をつけていた。
両手は腰の横に投げられていて、丸みのあるお尻は特に白く見えた。
その先にある華奢な足は、揃って海へと投げ出されていた。
海水に浸るその素足もまた、月の明かりも手伝ってかやたらと白く映え、眼を惹かれる長い髪の毛は砂浜にバサリと乱れていて、黄金色に輝いて見えた。
その女がいる場所だけなぜか、ぼんやりと甘く、淡い空気に支配されているような、そんな気がした。
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