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いま思えば、はじめからおかしな出来事だった。 それはまるで作り話のようで、ふとした瞬間に当時のことが脳裏をよぎったり、無意識のうちに考え込んでいると……自分でも笑ってしまう。 他人に話せば、いや身内に話しても、間違いなく笑われるだろう。 と言うよりは、わたしのことを馬鹿に、あるいは頭の中を心配して、病院へ行くように促されるかもしれない。 決して大袈裟に言っているわけではない。 それくらいあり得ない出来事に、わたしは遭遇したのである。
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