253人が本棚に入れています
本棚に追加
わたしはその二つの月に吸い寄せられるように砂浜におりていた。
もっと近くで見てみたい、と思ったのは間違いないが、もしかしたら足が月の引力にでも引っ張られたのかもしれない。
砂浜はクリーム色で、さらさらとした感触だった。
わたしは波打ち際まで進み、そこで足をとめた。
それからしばらくの間、月を眺めていた。
空と海との月をただ眺めていた。
別にロマンチストなわけではない。
黄昏ていたのかもしれないけど、よく憶えていない。
最初のコメントを投稿しよう!