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夜空はきれいだった。 空の月の上をよく見れば、数え切れない星が広がっていて……。 競うように瞬いている星たちを見ていると、なんだか自分の小ささに苛立ちを感じたものだ。 昔、友達がこんなことを言っていた。 「男なんて星の数ほどいる」 確かにそうかもしれない。 単純に人類の半分が男と考えれば、軽く三十億人はいるわけだし。 でも、わたしの眼に映る星たちの中で、わたしのために瞬いている星なんて、ひとつも無いに決まっている。 そんな星があったら驚きだ。
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