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月を眺め、星屑に想いを浮かべ、男のことばかり考えている自分がそこにいた。 夜の浜辺にたったひとりというのはひどく惨めで、異常にむなしくて……。 押し寄せてくる波とともに、孤独感が増幅していった。 「星の数ほどいないから困ってんだっつーの……」 思わずそうつぶやいたのは、自宅を出てから一時間は経ってからだったと思う。 つぶやいてすぐ、わたしはふと視線を砂浜に落とした。
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