8人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここは?」
二人がついたのはがらくたの山の集まりだった。
そこには10~20代の少年少女がたくさんいた。彼らは皆みすぼらしい身なりをしていた。
「ここは、捨てられた子供が来る場所なんだ」
不思議そうな顔をしている少年に俺は付け足した。
「お前みたいな裕福なやつには分からないだろうけど、ここに大人がこっそり子供を捨てに来るんだ。」
「ひどい話だね。」
少年は悲しそうな、そして後ろめたいような、そんな顔をした。
「お前も、捨てられたのか?それにしちゃ、いいとこのお坊ちゃんみたいだけど?」
「…」
少年は俯いて、しばらく黙っていた。聞かれたくないことだったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!