運命

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「ここは?」 二人がついたのはがらくたの山の集まりだった。 そこには10~20代の少年少女がたくさんいた。彼らは皆みすぼらしい身なりをしていた。 「ここは、捨てられた子供が来る場所なんだ」 不思議そうな顔をしている少年に俺は付け足した。 「お前みたいな裕福なやつには分からないだろうけど、ここに大人がこっそり子供を捨てに来るんだ。」 「ひどい話だね。」 少年は悲しそうな、そして後ろめたいような、そんな顔をした。 「お前も、捨てられたのか?それにしちゃ、いいとこのお坊ちゃんみたいだけど?」 「…」 少年は俯いて、しばらく黙っていた。聞かれたくないことだったのかもしれない。
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