「目眩」

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蜃気楼僕を惑わせる ゆらゆら揺らめいて君を見失った 口の中がからくて温くなったコーラを流し込んだ 線路の向こうで君が手を振っている 笑顔だったのに電車が通り過ぎる瞬間 泣き顔に変わったのは僕のせい 君を幸せにするって言ったのに 信号が赤になってしまったから もう線路を越えて君を抱きしめることはできないよ 君の姿も声も温度も電車の音とともに空へと消えた 欲張りな僕は結局何も手に入れられなかった 君は太陽眩しすぎて僕は目が眩んでしまったんだ 蜃気楼僕を惑わせる ゆらゆら揺らめいて君を見失った
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