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1440年。フランス、ポワトゥー伯領マシュクール。
空は澱み、凍てつく雨が降りしきり、凄まじき霹靂が轟いている。
1人の男が馬を駆り、マシュクール城の門前までやって来た。男の出で立ちは、燻し銀に輝く板金鎧の上に茶色のマント、頭にはマント同様茶色のフードというものであった。
「頼もーう!!」
男は門前で大声でそう言った。
しかし、城からは何の応答もない。
「頼もぉーう!!」
男は更に大声で再びそう叫んだ。
すると、暫時の後城門が不気味な音をたてて開かれ、中から家政婦のような出で立ちの老婆が姿を表した。
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