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人混みの奥、ドラゴンとフェアリーらしき二人組を発見した。
「『ドラゴン、フェアリー。止まって』」
随分簡単に言霊使ったなこの人。
「お?何だ?」
「歩けなくなっちゃった……」
会話だけなら難なくこなせるらしい。驚いた様子の二人が各々疑問を口にする。
「『解除』っと…」
うーん、万能ではなくても、やっぱり羨ましい能力だな。
「フェアリー!」
「あっ、ヒューマン!どうしたの?」
ああ…はぐれたことに気付いてすらいなかったのか……。
「!? パーン!」
「や。こんにちはドラゴン」
「そうか、お前の言霊か…。
びっくりさせるなよ……」
「ごめんごめん」
へらへらと笑うパーンはあまり謝る気がなさそうだ。
「この子まだ新人だろ?
駄目じゃん、こんな人混みで君達二人が先を歩いちゃ。迷子にならないように気を付けてやれよ」
「え、迷子?」
うわあ、恥ずかしい。
「ごめんね、ヒューマン。迷子にしちゃって」
「やめて掘り返さないで恥ずかしい」
「迷子www」
「うっ、うるさいよ!」
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