光の国

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「さぁ、行くよ!ヒューマン!」 「うん!」 飛ぶように駆け出したフェアリー。 飛ぶように……っていうか、飛んでる!? 彼女の背中から半透明の羽が延びていた。 「フェアリーって飛べるの?」 横に並んで話しかける。 「あっ、説明してなかったっけ? うん、飛べるの。 ヒューマンはできる?」 言われて、首を傾げる。 背中に力を入れてみたり飛ぶのをイメージしてみるが、足が浮かぶ感覚はしない。 「んー……無理みたい」 「そっかぁ…。残念。 他にも、ドラゴンとかも飛べるんだよ」 きょろきょろとフェアリーが空を見渡す。 「あ、ほら!あそこの空に飛んでるでしょ!」 フェアリーが町の上空を指差した。 そこには赤いドラゴンが硬そうな翼を羽ばたかせながら天空を舞っているのが見える。 「ドラゴン!こっちこっち!!」 大きな声を出しながらフェアリーが大きく手を振る。 それに気付いたドラゴンが、一直線にこちらに向かってきた。 「!!」 ゴォッ!と風が吹き付けた。
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