光の国

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「チッ……しょーがねぇ」 ドラゴンの胸にある 石のペンダントが輝く。 白い光を放つそれは 徐々にドラゴンを掻き消した。 「眩しっ…!」 思わず目元を覆う。 貫くような強い光は 数秒後、ゆっくりと消えていった。 目をこすりながら ゆっくりと開くと、 目の前には赤い髪の男がいた。 だが、服装は そう派手という感じではない。 フェニックスでは無いか。 というかドラゴンって言ってたし。 「えっと…ドラゴンが…」 「混乱する前に説明してやるよ」 ドラゴンがペンダントを持ち上げた。 「俺達幻獣は、 こういう二足歩行型に 擬態することができる。 国で生きていくには 俺みたいな翼竜とかは 図体がデカすぎるからな。 ちっと縮小して 一番動きやすい体型になるわけだ」 なるほど。 確かに国で動き回るには 障害が多そうだ。 それに、あんな攻撃的な見た目だと さすがに怖い。 「まぁフェアリーとかエルフとか あらかじめ、その姿の奴は 必要ないんだけどな」 確かに。 フェアリーなら 少し羽を閉じればいいし、 そんなに生活に 支障が無い気もする。
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