光の国

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秘宝クラウンジョーカー。 「真実を隠して偽る…。 何か…怖い響きだね」 そこだけ聞けば、 秘宝の説明ではなく 犯罪の内容のようだ。 「あ、でも 法律で悪用は禁止されてるし、 管理も魔法騎士団に一任されてるから 大丈夫だよ」 フェアリーが人差し指を立てた。 「魔法騎士団?」 「んー、政府の幹部集団のひとつだな。 魔法を操る、馬に乗った戦士。 その中の5トップの奴等のことだ。 幹部集団の中でも 攻撃、防御、速度、知能、 とにかくバランス重視の すげー奴らだよ」 「へー…」 ザザァ……、と風が吹く。 その時、本人は 気付いていなかったが 一瞬ヒューマンの姿がぶれた。 それに対して、 ドラゴンが顔をひきつらせる。 「……ところで、 そんな説明より 気になるんだけどよ、 お前、登録済んでんのか? そんな感じしねぇんだけど」 ドラゴンが話題を切り出した。 「え、ああ、まだです」 「おいおい……。 早く行けよ?消えちまうぞ」 「うん」 自分の腕を握りしめながら頷く。 「じゃ、オレそろそろ行くわ。 じゃあな、フェアr…… おい」 フェアリーが ドラゴンの腕を掴んだ。 「何のために呼んだか分かるよね?」 フェアリーが笑う。 だが、言葉の響きには 恐ろしいものがあった。 そして今、 竜型に戻った ドラゴンの背中に乗って 空を飛んでいます。
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