光の国の城

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疑いながらフェニックスの手に触れる。 「……。触れる」 「他の奴は触れんがな。 急ぐぞ!フェアリーとドラゴンはついてこい!」 腕を引っ掴まれフェニックスが飛び立つ。 それに引きずられる形でヒューマンも宙に浮く。 「ああああああ!羽根!羽根熱い!」 「そりゃあ炎で出来てるんだから仕方ないだろ!」 「フェアリーとかドラゴンに頼めば良かった!」 「だから触れないっつーの!」 ギャーギャーと騒ぎながら城の上階を目指す。 ヒューマンの初めての登城は、国王直々の引率で最上階のベランダからだった。 「嫌だ……僕はもっと普通に生きたい」 「新人くん、もう有名だぞ。 何せ俺様に優遇されているんだからな」 「うわああああ!」 ****** 「仲いいなー」 空中(口論)戦を繰り広げる二人を見ながらドラゴンが言う。 国王にあれだけ言えるヒューマンも大したものだが、それに本気で対応しているフェニックスもすごい。 この世界に存在している時間はフェニックスの方が圧倒的に長いのに、まさか存在時間1日目のヒューマンとの口論が子供の喧嘩レベルとはどういうことだろうか。
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