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毛の長い絨毯を見る。
そしてやっと気付いた。
「魔方陣…?」
絨毯の模様がまるで魔方陣のように描かれている。中心には人が入れるサイズの六芒星。
あそこに立てということだろう。
「早くしないと消えるぞ。
新人くんがもたもたしていると俺様もツラい思いをすることになる」
お前が言うな。
「――はい」
そろりと踏み出した一歩を皮切りに覚悟を決めて歩き出した。
「準備はいいかい?」
フェニックスが笑う。
六芒星の中に立ち、振り返って頷いた。
「――――」
ニィ、と笑ったフェニックスが胸の前で、水晶玉で占うかのように手を掲げる。
手の中に赤い炎が現れたかと思うのも束の間、
すぐさま炎が空中を飛び、絨毯――魔方陣に燃え移る。
「え!?うわっ!」
魔方陣を炎が走りヒューマンの逃げ道が無くなった。このまま焼き殺されてもおかしくないような映像だ。現に、肌がじりじりと熱い。
「ふ、フェニックスさん!?」
「――――」
目を閉じたフェニックスが何かを唱え始めた。
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