光の国の城

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「フェニックスさん!」 魔方陣から出るに出られず声を張り上げる。 何とか雷撃に耐えたフェニックスはその場で膝に手をついていた。雷が直撃した腹を押さえて肩で息をしている。時折、苦しそうに咳き込んだ。 「ヒューマン…嘘でしょ…?」 フェアリーがこちらを見る。 その表情は、驚き、疑い、 ――――警戒。 「嘘だ」と言えるなら言いたい。 しかし、ヒューマン自身にもこの紫電が何なのか分からない。つまり、答えようが無い。 「…………」 フェニックスが無言で手で空を切る。すうっ、と炎が消え、同時に紫電も消えた。 「フェニックスさん…。 何なんですか、あれ……」 やっとのことで問いかける。 深呼吸をしたフェニックスが額の汗を拭った。 「…サンダーバード」 ヒューマンを睨む目は、限りなく冷たい。 「闇の国の王、サンダーバードの紫電だ」
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