光の国の城

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「…………」 言葉を失う。 フェニックス以外の全員が驚愕していた。 「僕が敵だったら……、皆はどうするんですか…?」 「それは――、……」 答えようとしたフェアリーがスカートを握りしめる。白いワンピースにしわが寄った。 「殺す」 部屋に、よく通る声が響いた。 「こ、ろ……」 堰を切ったように、フェアリーがぼろぼろと涙を流した。ドラゴンが駆け寄って彼女を支える。 「ヒューマン……」 微かなフェアリーの呟きに歯を食い縛った。 フェニックスが魔方陣に足を踏み入れ、腰の剣を抜く。しかし、刃の部分は無かった。 剣の柄だけ? 逃げることも忘れてその柄を見つめる。 フェニックスがそれを大きく振り上げると、炎が吹き出した。長い刃を形作り、刃を残して炎が消える。フェニックスが赤い刃の剣を構えた。
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