黄昏の剣、トワイライト

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「久々に見たな。その剣を扱える奴は……」 フェニックスにとっての“久々”は何年くらいを指すんだろうか。 「何か、特殊なものなんですか?」 剣の刃に手を添えて両手でトワイライトを持ち上げて支えた。 まだフェニックスに対する警戒を解いたわけじゃない。 ただ、少なくとも僕の武器になりそうなもののことは知っておきたい。 「かなり特殊だ。 そいつは俺様の剣と同じように柄しかない代物。刃の形や色、大きさ、その剣が持つ能力すら持ち主の思うがまま。 そして、実を言うと剣ですら無い。柄の形も変わる」 「えっ!?」 当たり前のように剣の姿をしているから、てっきり刃だけが変わる剣だと思ったのに。 「まぁ、その辺りに関しては今後自分で調べてくれ。 今のそいつは恐らく『闇』状態だな」 「状態があるんですか?」 「はっきりとは言えんが。 持ち主の心に呼応して全てが変わる剣だ。 『光』の存在である俺様に対抗するために『闇』になったんだろう。 形が剣なのは……、俺様が剣を持っていたから、そこから連想したんだと思う」
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