黄昏の剣、トワイライト

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「…………」 トワイライトを見つめる。 フェアリーやドラゴンのように空を飛ぶこともできなければ、フェニックスやサンダーバードのように炎や紫電を操ることもできない。 そんな僕に、魔法の剣が呼応した? 「信じられんか? 自分に応えたその剣が」 フェニックスが腕を組んだ。 「正直いうと…はい。 何で、僕なんだろうって」 「ふぅん、なるほどな。 ……、ちょっと貸してみろ」 「え?」 無意識に肩が強張る。 「殺そうとしたことは悪かった。 俺様が全面的に悪い」 深々と頭を下げると赤いポニーテールが揺れた。 そういえば何でこいつ男なのにポニーテールなんだ?多分、僕が会った中で髪が一番長い。 「適合したお前以外の奴がトワイライトを持つとどうなるか、見たくないか?」 にやりとフェニックスが笑う。 その内容には、かなり興味をそそられた。 トワイライトをフェニックスに渡す。 しばらく片手でひゅんひゅんと振り回し、無言で様子を見る。 「まぁ俺様も持ったことが無いから、どうなるかは分からんのだが」 「おい!」 そんな和やかな雰囲気が流れ出したころ、剣に異変が起きた。
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