黄昏の剣、トワイライト

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黒い刃がどろりと溶け、びしゃびしゃと床に落ちた。 「……げっ」 それに青ざめたのはフェニックスだった。 「闇属性の……水!」 フェアリーが指をさして叫ぶ。 “闇属性”の“水”。 つまり、 「“光属性”の“火”のフェニックスの天敵!」 「誰か助けてえー!!」 いやああああ!と叫ぶフェニックスを誰かが突き飛ばした。 「!」 柄だけになったトワイライトが刃……もとい、黒い水の中に落ちる。 少し目を回したフェニックスが頭を振って突き飛ばした本人を見た。 すらりとした太ももまでのブーツが目に入る。 「(ブーツ長っ)」 カンッ、と長い剣を床に突き立てた。 「お呼びか。我が王よ」 フェニックスには劣るものの、長い金髪を適当な三つ編みにした男が彼を見下ろした。 「おう、呼んだ。 でも何か助け方違う……」 「黙れ」 「毎回思うんだけどお前ホントに“我が王”なんて思ってる!?」
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