サラヴィーン

4/6
前へ
/74ページ
次へ
フェアリーの手を借りて 立ち上がる。 ズボンをはたいて 改めてフェアリーを見た。 「ごめん。ありがとう」 「いいよいいよ! ヒューマンは、 こんなところで何してたの?」 「何って…」 あれ? 僕は、何をしてたんだろう…。 倒れてたけど、 そこから前の記憶が無い。 一切、無い。 知ってたのは名前だけ? 「…もしかして、 ヒューマン生まれたて?」 「へ?」 フェアリーの言葉に反応した。 「生まれたてって… そんなわけ無いよ。 どう考えても 僕、15歳くらいだし…」 背の高さや体格からして、 少なくとも生まれたてではない。 「ううん。 生きた時間と見た目は、 この世界では関係ないんだよ」 「え…?」 「この世界には、 成長っていう概念が無いの。 突然、最も適度な見た目で 存在するの」 “存在する”。 突然、その場所に現れる。 「エルフやマーメイドなら 20代。 わたしみたいなフェアリーなら 10代前半。 …っていうか、 こういう二足型の方が 珍しいんだけどね」 「二足型…」
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加