黄昏の剣、トワイライト

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くるりと振り返り剣を腰に戻した男が床に膝をつく。 「すまない。 我が王は妙に責任感が強くてな、融通がきかない時がある。 望むならば私が罰を与えておこう」 「い、いえ、別に。お構い無く。 あの……失礼ですが、名前は何て言うんですか?」 よくよく考えれば名前すら知らない幻獣とこんなに話したのは初めてだ。 「おや、そういえば名乗ってなかったな」 すっと男が立ち上がる。 「私は、世界を取り巻き、世界としての秩序を保つ大蛇、ヨルムンガンド。 知っての通りだろうが、私もクラウンジョーカーの力を借りてこの姿になっている。 我が王とは幼なじみで、長くこの世界を見守る者のひとりだ」 「初めまして」 「よろしく」 笑顔で握手を交わす。 その横でフェニックスが場に似合わない不機嫌そうな顔をしていた。 「どうした?我が王よ。 それほど美男子でもないお前が仏頂面とは…、見るも無惨だぞ」 「なっ、何だと!? 俺様結構、女性の皆に人気あるんだからねっ」 「ほざけ」 「(一刀両断!?)」
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