黄昏の剣、トワイライト

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「ふむ…。それでは話を戻すとして」 ヨルムンガンドが軽い咳払いの後、腕を組む。 「君は…、ヒューマンと言うのかな。 結局、登録はできているのか?」 「……、できてないです」 「なるほど」 我が王が不機嫌な理由がよく分かった、と苦く笑った。 「登録できないと消えちゃうんじゃないの?」 フェアリーが首をかしげる。 まだ手はスカートを握り締めていた。 「ふっ……そうだな。 確かに消えてしまう」 その言葉に、ヒューマンが自分の手を見つめる。 「ただし、それは光か闇のどちらかに属する幻獣の場合だけだ」 「……、つまり?」 「ヒューマンのようにどちらにも属さない存在は、もちろん光でも闇でも無い。あえて言えばこの“世界そのもの”に属する存在だ。 つまり、この世界が消えない限り消えないのだよ」 「じゃあ、さっきすり抜けたのは……」 ヒューマンとフェアリーが顔を見合わせる。なかなか衝撃的な映像だったので絶対に忘れない。あのブレは一体何だったんだろう。 「うまく世界と定着していなかったんだろう。 生まれたすぐなら、多少ふらふらしてもおかしくあるまい」 「とにかく、結果だけ言えばヒューマンは消えないんだよね?」 「その通り」 その言葉に、やっとフェアリーが笑った。
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