闇の国

8/9
前へ
/74ページ
次へ
「覚悟しろよ!」 銃に炎を纏わせる。一見すると手まで燃えているがインキュバスに被害は無い。 「“煉獄”!!」 一匹のゴブリンに撃ち込まれた弾丸が爆発して放射線状に広がる。周囲の敵を一気に焼き払った。 同時に起こる風に紅い髪を暴れさせながら、拳銃にもう一度炎を纏わせる。簡単に言うと再装填だ。 「もう少し強くなってから来いよな……。 “煉獄”!」 再び遠くで爆発が起こる。 「絶好調!」 ♪――♪♪ インキュバスが、にっと笑った瞬間、 爆音にも掻き消されない口笛が遂に本領を発揮した。 地面が揺らぎ、びしびしと地割れが起こる。それを見たインキュバスがラミアの近くに駆け寄った。実はこの地割れ、ラミアの近くだけには発生しない。逆に言うとそれ以外の場所は容赦なく割れてしまうのだ。 「闇の国より深淵に、引きずり込んであげるわ」 口笛を吹き終えたラミアが言い放った。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加