闇の国

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ドンッ!という衝撃波と共に地中から黒い影が現れる。 牛の首に蜘蛛の体――牛鬼。 息つく間もなく牛鬼はゴブリンに襲い掛かり食い散らかす。 「(…んー…、グロい)」 ラミアの口笛は、いわば召喚術だ。 闇の国の深淵、深い谷の奥底に蠢く闇の存在を喚び出し思うがままに操る。 ……一応口笛自体にも攻撃力はあるのだが、どちらかというと精神攻撃系。 つまり、ゴブリンなどの知能の低い、考えることすらしないような敵には効かない。 故に牛鬼のようなものを深淵から引きずり出し、襲わせる。 間接的な直接攻撃。 そんな表現が一番合う気がする。 「インキュバス」 「何?」 「戦うのサボってたら牛鬼に襲わせるわよ」 「えっ…俺、男に抱かれる趣味は無いんだけど」 「……、一回死ね」 「はい、すいません!」 銃を握り直して炎を装填した。
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