クエスト

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「さて、登録が出来なかったとはいえ、どちらにも属するというなら俺様は“半光属性”のヒューマンを信じるしかないな」 光の国の城。 フェニックスの広間でヒューマンを始めとする面々が揃っていた。 「半、光属性……」 「忘れるなよ。 俺様は光属性の方の君しか信用しない。半分なら守ってやるし全てを保証してやるが、もう半分は一切信用しない。 行動によっては容赦なく斬り殺す」 ゴッ! 「痛っ!」 「我が王よ。いい加減大人になれ」 ヒールで蹴られたフェニックスがヨルムンガンドに反論した。 「国王として当然だ! 俺様には国民を護る義務があって出来うることなら僅かな不安要素も除かなきゃいけない! そんな中で“半闇属性”のヒューマンを受け入れてるんだ! 俺様だって辛いんだよ!」 “半闇属性”。 その言葉に、ヒューマンが目を見開いた。 一番辛い言葉だった。 半分敵と言われたも同然だ。 誰にも気付かれないように服を握りしめた。 「ふん、だからといってヒューマンが光と闇に二等分されているわけでもないだろうが」 「…ッ」 「ヒューマンは光でも闇でもない。 言うなれば“黄昏”だ。 我が王の物差しで計っていい存在ではない」
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