クエスト

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「大人しく受け入れろ。 いつまでも駄々をこねるな」 前髪を掻き上げたヨルムンガンドがため息をついた。 「…後悔しても知らねえよ」 「構わん」 この場合、僕としてはヨルムンガンドに感謝したい。 だが、フェニックスの言うことも正当理論。国王として葛藤する気持ちも分からなくはない。 複雑な気持ちで俯いていると、目の前に紙が出された。 何かの書類のようだ。 「これは……?」 「臨時で作った。 “光の国登録証書”だ」 紙を差し出した張本人であるフェニックスが言った。 「……、曖昧な君の存在を大人しく受け入れよう。 あの魔方陣によって登録を受ければ、これから先、闇の存在と接触したときに少なからず俺様の炎が護るが……、残念ながらヒューマンにはそれは無い。正式な登録はしていないからな。 だが、君の“闇属性になる気は無い”という言葉を信じて、登録の意思を証拠として残そう。 名前を書け。 俺様はこの証拠を以てヒューマンが光の国に属したと認める」 手品だろうか、どこからか取り出したペンをヒューマンに渡す。 「証拠……」 それを受け取り、紙に名前を記した。
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