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「丘の上か。分かった。
あそこは景色が良いし
交通も悪くない。
何より風の優しい場所だ。
良い選択だと思う。
空き家はあったか?」
フェニックスが
ヨルムンガンドを見る。
少し考え込んだが、
すぐに口を開いた。
「古い上に小さいが
一軒あるぞ」
「じゃあ、とりあえずそこで。
臨時の家だから文句は言うな」
「はい」
家があるだけマシだろう。
文句を言える立場じゃない。
「それじゃあ行くか。
ドラゴン」
「……何だよ」
「フェアリーと俺様は
飛べるけどな?
ここから先は分かるよな?」
「……へいへい」
移動手段と判断されたドラゴンが
バルコニーで翼竜へと姿を変えた。
******
ドラゴンの背に乗って
再び風を切る。
隣にはヨルムンガンドが
同じように乗っていた。
「つか何でヨルムンガンドも
乗ってんの!?」
「私だけ放置も寂しかろう」
「寂しがり屋か!」
騒ぐドラゴンの周りを、
火の鳥――フェニックスと
フェアリーが旋回する。
楽しそうだ。
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