Silver Fire

クエスト

ところで、最初の時より
ドラゴンの速度が遅い気がする。

気のせいか？

「ねぇドラゴン」

「何だ」

「何か遅くない？」

事実、遊びながら飛行している
フェアリーとフェニックスに
追い抜かされては、
二人にしばらく待ってもらって
また並走し始めている。

こんなことを
何度も繰り返しているのだ。

「ヨルムンガンドが
乗ってるからな」

「私のせいか」

「お前、自分の体重分かって
言ってんだろうな！！」

「重いの？」

「たかが“測定不能”だろう」

「！？」

測定不能！？

測れないほどってことか！？

「私の体躯を乗せられない
測定器が無いのが悪い」

「永遠に無理だな」

ふわっと空気の抵抗が
全身を襲う。

見慣れた感覚のある
丘に向かって降下し始めた。