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「ここですか？」
「すまない。
予想以上に小さいな。
しかも古い」
壁に手をついて
家の上部に取り付けられた
ランプに目を遣る。
黒いはずのフレームは
埃をかぶって白く薄汚れていた。
「(磨けば綺麗になるかな)」
「ここ、何年使ってないんだよ」
家の扉を開けたドラゴンが
呆れたように言う。
中を覗くと、
ランプと同じように
埃をかぶった家具が見えた。
「さぁな、忘れた」
「忘れるぐらい使ってねぇのかよ」
「今日は１日掃除だな」
フェニックスが腕まくりをする。
えっ、ちょっと待って。
「フェニックス……、
王様も掃除するんですか？」
「当たり前だ。
俺様達は等しき幻獣。
仲間であり家族だ。
家族の新居ならば
力を合わせて準備するしかあるまい。
そこには地位など関係ない。
まぁ、つまり俺様の
「王」という肩書きも
所詮は名前だけだ。
ただのまとめ役とでも思ってくれ」
「そ、そうですか……」
何か話長いの復活してませんか。
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