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「さて、ネレイドとの
コントもオチがついたところで……」
「コント!?」
「本題だ。
家具は全て運び出しておいたから
床を適当に濡らしてほしい」
「オレが蒸発するって
本当!?嘘!?」
「俺様の機嫌次第だ」
「ええっ!」
隣でヨルムンガンドが
「うるさいなコイツ」みたいな顔してるよ?
「まぁとりあえずやるか…。
よしっ、行くぜ!」
家の玄関から部屋に向かって
すっと両手を広げる。
ネレイドの手の平に
ソフトボール大の水が
浮かんだかと思うと、
それは床に降りて
波紋のように広がった。
「『手の中の波打ち際』」
少しばかり乾燥していた
焦げ茶色の床が途端に水浸しになる。
「ほぉ…、大したもんだ」
ヨルムンガンドが呟いた。
同じ水属性としては
気になるところなんだろうか。
「それじゃあブラシで磨いて、
後で水回収な!
足元気を付けろよ!」
「はいよ!」
フェニックスから投げられたブラシを受け取って
ネレイドが家の奥へ走っていく。
気付かなかったけど、
まだ奥に部屋があるらしい。
外装のイメージよりは
広い家のようだ。
「天井辺りも酷いな…」
「その辺りは
俺様とヨルムンガンドでやろう。
ヒューマン達は外の家具を
拭いておいてくれ」
「分かった」
分担が決まった皆が
各々の仕事に取り掛かった。
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