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「よっ…と」
水の入ったバケツを運んでくる。
水はネレイドに頼んだら
出してもらえた。
「よし、やろっか！」
フェアリーがタオルを
水に浸して絞る。
少し遠くに置かれた
本棚のところへ飛んでいった。
うん、飛べるって羨ましい。
障害物とか関係なさそう。
同じようにタオルを濡らして絞る。
ネレイドの水って結構冷たいな。
しっかり絞ってソファを拭き始める。
革張りに近い表面だ。
つやつやしている。
「おーい！ヒューマン！」
遠くからドラゴンが
カーテンを抱えて歩いてきた。
洗濯が終わったようだ。
あんな綺麗な色のカーテンだったのか…。
相当汚れていたらしい。
「お疲れ様、ドラゴン」
「おう」
「綺麗になったね。
どこに干すの？」
洗剤のような香りはしない。
ひたすら擦って洗ったようだ。
「あー…、適当に
木にロープ張って干しとくわ」
「分かった。よろしく」
「おう」
カーテンを抱え直して、ドラゴンが近くの大樹に走る。
その勢いを殺さずに軽々と木に登った。
「うわぁ…すごい」
太い枝の上に立つ彼の髪を風が揺らした。
うん、風通しは良さそうだ。
「…あれ？」
そして１つ気付く。
「ドラゴン！
ロープ持っていった？」
「……。忘れたー！」
何やってるんだ…。
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