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光の国中央、大市場。
南国系の気候を持つこの国の市場は1年を通して色とりどりの食材が並ぶ。昼間は言うまでもないが、夜もライトが輝き祭りの如く盛り上がり続ける。
多くの幻獣が集まり1日を過ごす、国内で最も活気ある場所だ。
「うわー、すごい!」
「ここが一番幻獣が集まるところ。市場だけど普通にご飯食べれるお店もたくさんあるから、よく賑わってるよ」
「ま、とりあえず飯は後だ。
ちゃっちゃと買うもん買って帰ろうぜ」
「うん。番してもらってるし、急ごう」
先を歩くフェアリーとドラゴンを追う。
昼時のせいか人が多く、ついていくのがやっとだ。
それでも段々と遅れて離されそうになる。まずい。
背の高いドラゴンの赤い髪を目印に歩くが、少しずつその視界も遮られる。本当にまずい。
……とか考えてる間に見失った。
「しまった……」
足を止めて冷や汗を拭う。どうしよう。まずい。連絡手段は無い。
「…………」
むやみに進んでみようかと悩んでいると、
とんとん
と肩を叩かれた。
「うわっ!」
「わああ!!!」
え、僕はまだいいとして、何で肩叩いた張本人の方がビビってるんですか。
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