刀剣

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古の鉄塊~Dragon Slayer~    無双の腕力を誇る一人の若者の生まれた国で内戦が起こった。  激しい戦火は各地の舐め回し。男は死に、女は奪われ、子供と老人は焼かれた。若者の農村でもそれは例外ではなく、抵抗する術を持たない村人は動かぬ肉に成り果てる。そこには彼の恋人も含まれていた。  唯一残された若者は村の農具を全てかき集め、一降りの大きな剣を作り上げる。憎悪によって練り上げられた剣は長く太く厚く、おおよそ人が扱うものには見えなかった。それは悪意と憎悪の象徴であった。  男の復讐が始まり、各地の闘争に飛び込んでは有象無象の区別なく虐殺する。その苛烈さはほどなく国の隅々まで行き渡り、一人の男を恐れてやがて内乱は収束していく。復讐者は英雄になった。  しかし、男はそれでも殺すことをやめず、他国の戦乱を嗅ぎ付けては一方的なまでの虐殺を繰り返す。多くの国が男を狙い大群を差し向けるが誰ひとり殺すことができず、やがて大陸から全ての戦争は消え失せる。そして、復讐の対象を無くした男は絶望し、血涙を流しながら自害した。  男の剣だけが今でも国宝として残っている。
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