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~護郷の豪槍~Rance the patriot
ある村に老いた兵士がいた。
しわがれた姿は惨めで、そこにはすでに在りし日の勇猛さは見いだせない
彼は過ぎ去った栄光を、日々息子に語っていた。
息子は父の話を真摯に受け止め、自らも勇敢な兵士になるため父の古びた槍を継ぐため訓練を続けていた。
しかし、国境の山麓にぽつねんと立つ牧歌的な村においてそれは鼻つまみであり、男は常に陰口を叩かれていた。
男は貧しく、また誰よりも粗野でもあった。友もおらず、流れ者の連れ子だった彼には親類もいない。
男には病床の父が残され、孤独な日々がただ過ぎ去るばかりだった。
やがてかつての英雄は死に、槍と息子だけが残される。
男は訓練を続け、研鑽を磨き、槍を受け継ぐに相応しい偉丈夫となった。
だが男は槍を神聖な物として扱い手にすることはなく、狩猟でなんとか生計を立てていた。
語る言葉もなく、次第に男は言語を忘れていった。
ある日、村に武装した盗賊が現れる。
野山を知り尽くす男には、盗賊たちは森に潜んでその機会を窺っているのだと知れた。
男は槍を手にし、村を捨てようとする人々を救うため一人立ち向かう。
男を見たのはそれが最後だった。
半信半疑だった村人たちが森に向かうと、そこにあったのは累々と横たわる盗賊の骸と、地面に突き立った一本の槍だけだったという。
槍は英雄がいた印として、村に飾られている。
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